内容紹介
タイトルからして如何にも抗菌薬の使用を減らすための方法が書いてありそうですが、実際には、感染症の網羅系教科書として非常に優秀なつくりになっています。
分厚い教科書のように、詳細に各感染症の診断やフォローが書いている訳ではありませんが、感染症をみるときに重要な考え方が散りばめられており、診断やフォローの考えの根幹を作ることが出来ます。各論についても一応網羅的に記載はあるので、隅から隅まで勉強ができます。
抗菌薬選択はスペクトラム表や薬理的な機序も用いながらロジカルに説明されており、なぜ、その菌にはその抗菌薬がいいのか、ということが分かる構成になっています。一部、異論を呼びそうな解説もありますが、初学者は大枠を理解することが重要なので、細かいことは気にせずに勉強をしましょう。
なお、個人的には、途中で出てくる診断エラーの解説が非常にツボでした。心理学的なアプローチがいかにも青木先生らしくて好きです。
どんな人に向いているか
感染症の初学者にぜひとも推奨したい本です。感染症を見るうえでは必須の考え方だけど、意外と他の本には書かれていない内容が多く、とくに感染症フォローが苦手な人は読んでほしいです。
内容としてはコンパクトにまとまっている・・というよりはロジカルに説明することに重きがおかれているので、読みごたえがあり、逆にとっつきにくいと感じる人もいるかもしれません。(そういう人は、まるごとこの1冊が合うかもしれないですね)
感染症の本というと、臨床力の高い、意識高い系の人に向けた情報が多い印象ですが(怒られそうですね!)、この本は非常に実践向けであり、どの人がやっても一定の成果がでるように工夫されている印象です。
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